2018年6月に公布された気候変動適応法(平成30年法律第50号)により、国立環境研究所が気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の収集・整理・分析・提供や、地方公共団体や地域気候変動適応センターにおける気候変動適応に関する取組に対する技術的助言などを行う役割を担うことが定められました。
この新たな業務や気候変動適応に関する研究を一体的に実施するための拠点として、気候変動適応法の施行日に合わせ、2018年12月1日に気候変動適応センターを設立しました。
本センターが中核となり、気候変動影響・適応に関する情報の収集・整理・分析や研究を推進し、その成果を広く提供することで、政府、地方公共団体による気候変動適応に関する計画の策定や適応策の実施をはじめ、事業者や個人を含む各主体による気候変動適応に関する取組に貢献します。
地方公共団体、事業者、国民など各主体が気候変動への対策に取り組む上で必要となる科学的知見や取組事例などの情報を収集・整理・分析し、「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」を通じて活用しやすい形で広く提供し、適応策への取り組みを促進します。
また、アジア太平洋地域の途上国における適応計画の策定・実施を支援するための情報基盤として2019年に構築した「アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)」の充実・強化を図り、適応に関する国際的連携・国際協力に貢献します。
気候変動による影響は地域ごとに大きく異なり、経済的社会的な状況も様々です。したがって、適応策を適切に実施し気候変動による被害を回避・軽減するためには、地域における取組が大変重要になります。
そこで国環研では、A-PLATによる情報提供や気候変動に関する調査研究を行う機関との連携等を通じて、以下の業務を実施し、地方公共団体や地域気候変動適応センターの活動を支援します。
地方公共団体をはじめとする各主体による気候変動適応推進に係る取組を科学的に支援するために、①気候変動影響の観測・監視、②気候変動影響の評価、③気候変動適応の戦略立案に関する研究をパッケージ化し、適応研究プログラムとして実施しています。本研究プログラムの成果は、政府による気候変動適応計画の変更といった政策決定への貢献を目指すとともに、A-PLATやAP-PLATを通じて公表していきます。