近年気候変動の影響を大きく受けているサンゴ礁生態系を対象として、過去データを収集するとともにモニタリングを行い、変化を検出する。また、遺伝子解析によって海域間の連結性を明らかにする。その結果に基づいて水温上昇、海洋酸性化と海流変化によるサンゴの白化及び北上、それに付随する大型藻類等他の生物に関する予測の高度化を行う。さらに、サンゴ礁の形成速度を明らかにして海面上昇に対する水没可能性を評価し、防波構造が維持されるか検討を行う。こうした情報に基づき、将来の避難地の検出、生態系ネットワークの検出、陸域負荷の低減等の適応策を検討するとともに、生態系保全による適応策の主流化を目指す。